本屋に行っても、何を読めばいいか決められない。話題の一冊を買ってみても、 途中で手が止まって、積んだまま背表紙だけ眺めている。 自分に合う本って、どうやって選べばいいのでしょう。
「合う本」は、「面白い本」とは限らない
ベストセラーは、たくさんの人にとって面白い本です。けれど、いまのあなたに合うかどうかは、また別の話。 評判のいい一冊を読みきれないのは、あなたの根気がないからではなく、 その本がいまのあなたの状態や気質と、噛み合っていないだけのことがほとんどです。 合う・合わないは、本の優劣ではなく、相性の問題です。
いま響く本は、性格と状態で変わる
同じ人でも、論理を一歩ずつ追いたい時期と、物語にただ沈みたい時期があります。 背中を押してくれる本が要るときもあれば、何も言わずに隣に座ってくれる本が要るときもある。 静かに考えたい人には、結論を急がない本が。 動きながら考えたい人には、頁が軽やかに進む本が。 「自分はいま、どんな本に手を伸ばしたいのか」は、 性格の傾向と、そのときの心の状態が重なったところに現れます。
ランキングで選ぶと、こぼれるもの
おすすめランキングは、いわばみんなの平均です。 便利ですが、あなたのための一冊は、たいてい平均から少し外れたところにあります。 「売れている」を入り口にするのは悪くありません。 ただ、最後にめくる一冊は、誰かの正解ではなく、 自分の輪郭に添うかどうかで選んでいい。そのほうが、最後の頁までたどり着けます。
本は、もう一つの鏡
自分に合う本は、読みながら「これは自分のことだ」と感じさせてくれます。 登場人物の迷いに、自分の迷いが映る。一節の言葉に、言えなかった気持ちの輪郭が与えられる。 そういう意味では、本を読むことも、静かに自分と向き合うことの一つです。 自分の気持ちを言葉にすることについては、こちらの記事でも書いています。
あなたという一冊が、次の一冊を呼ぶ
だから、次に読む本に迷ったら、いちど自分の気質を眺めてみる。 採点でも、タイプ分けでもなく、「自分はこういうところがある人だ」と文章として読み直してみる。 そうすると、いま手を伸ばすべき一冊の方向が、ぼんやりと見えてきます。 忘れられた図書館の性格診断では、あなたという一冊に隣に置きたい一冊を、結果のなかに添えています。 似合う香りの選び方についても、別に書いています。